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夜に泣く石――掛川に語り継がれる「夜泣き石」の伝説と静かな祈り


日下部信親

こんにちは。静岡の魅力をお届けしている日下部信親です。
今回は、掛川市にあるとても不思議な伝説の残る場所、「夜泣き石(よなきいし)」をご紹介します。

でも、今回の旅はちょっと特別。
私のかわりに案内してくれるのは、お馴染みの「ノブさん」と「マミさん」のふたりです。


目次

【プロローグ】

ノブさん

マミさん、『夜泣き石』って知ってる?掛川にそんな伝説の石があるんだって。

マミさん

え〜?石が泣くの? なんだかちょっとこわいけど…、面白そう!行ってみよう〜♪


【夜泣き石とは?】

静岡県掛川市東山の旧東海道にたたずむ「夜泣き石」。

それは、日本の6分の一にあたるモノが行き交う旧東海道の中で、当時の人々が「石が泣く」と思ったほど、慎重な気配を伴った場所でした。

この地では、「京を目指して歩いていた妊婦が山賊に襲われ命を落とし、その子どもが石のそばで泣き続けた」という伝説が残っています。

マミさん

そんなに悲しい話だったんだ…。石が泣くって、ただの伝説じゃなくて人の想いなのかもしれないね。

ノブさん

その子は後に、お寺のお坊さんに救われて、『子育て飴』で育てられたんだって。


【弘法大師との関係】

この夜泣き石には、弘法大師(空海)との関係を示す伝説もあります。

なんと、石には弘法大師によって「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」の文字が刻まれたとも言われています。

この仏号が刻まれてからというもの、石からは泣き声が聞こえなくなったと語り継がれており、以来この石は信仰の対象にもなっています。

ノブさん

弘法大師が関わってたなんて、まさかだよね。仏様の力で泣き声を鎮めたって話、すごく神秘的だなあ。

マミさん

たしかに…。石って、ただの物じゃないんだって思えるね。


【現地の様子】

今も、夜泣き石は静かな道端にひっそりと存在しています。

そのまわりには小さな礼所や説明板、地蔵さまなどがあり、今も手を合わせる人の姿が見られます。

マミさん

ここに何百年も前から伝説が残ってるって思うと…一瞬一瞬を大切にしたくなるよね。

ノブさん

ただの観光地じゃないんだよな。ここにきっと、人の願いや祈りがしたためてあるんだね。


【歴史と伝承】

夜泣き石は、歴史的にも観光的にも、掛川の一部として大切にされてきました。

当地の人たちは、この場所を「子育て」や「子どもの安全」を祈る場所として、今も手を合わせにやってきます。

また、子育て飴を販売する老舗は、その伝説を残しながら、静かながらも日常に混ざり合っています。


【子育て飴とは?】

伝説の中で、和尚が赤ちゃんに与えた「子育て飴」は、もち米と麦芽を原料にした素朴な甘さの水飴。

現在でも「扇屋」や「小泉屋」などの地元の老舗で手作りされており、お土産としても人気です。

棒でかき混ぜながら少しずつ食べる、昔懐かしいスタイルで、パッケージにも夜泣き石の伝説が描かれていることがあります。

マミさん

わたしも子育て飴買っちゃった! かみごたえあるのにじゃっととけて、ほんのり甘いの。

ノブさん

みやげにもなるし、その場の物語のありがたみが深まるね。


【アクセス情報】

  • 所在地:静岡県掛川市東山地区「小夜の中山」
  • 車:JR掛川駅から車で約20分
  • バス:JR掛川駅から「日坂」行き。バス停の後、徒歩15分程度
  • 駐車場:近隣に無料駐車場あり

【周辺観光モデルプラン】

午前のんびりコース案

時間帯内容
10:00JR掛川駅出発
10:30久延寺参拝、夜泣き石を観覧
11:30「扇屋」「小泉屋」で子育て飴を買う
12:00旧東海道をすこし散歩
13:00掛川城や花鳥園を観光
15:00駅前でお土産やお茶カフェを楽しむ
ノブさん

いいルートだね!うすら暑い日なら完璧!

マミさん

いつもは通り過ごしてたのに、こんな物語があったなんて…知らなかったらもったいなかったね。


【まとめ】

夜泣き石は、ただの省略された観光スポットではありません。

人々が思いを織り、伝説を継ぎ、いまでも路ゆく人の心に広がり続ける場所です。

ノブさん

歩いて、立ち止まって、耳をすませば、何かが聞こえるかも…

マミさん

もしみんなが子どものことを思って、やさしい気持ちを持ったら、それだけで石も笑顔になるかもね〜

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